電磁テンプ時計とは?
国産腕時計の動力源が機械式(ゼンマイ)からクォーツに変わる過渡期の1960年代後半から1970年代前半に存在した、調速機構は機械式ながら、動力源にゼンマイの代わりに電池を用いた時計のこと。
電池で動く時計は、1957年にHAMILTONが電池時計『ELECTRIC』を、1960年にBLOVAが音叉時計『ACCUTRON』をすでに発売しているので、新しいものではなかったのですが、当時舶来品は高嶺の花でしたから、国産で一般庶民にも手が届く価格帯としては初めてということになるのでしょうか。
当時としては1年間ゼンマイを巻かなくても動き続けることは驚異的であったようです。精度に関しては、初期のものは価格も3万円と高かった(GS並の値段)ので、機械式クロノメータ並には良かったようです【註1】。なお、電磁テンプ時計の本家はシチズン【註2】ですが、個人的趣味により、SEIKO製を中心に扱っています。
電磁テンプ時計の魅力は、時代の徒花的はかなさ、だと思います。私がシチズンよりSEIKO製に惹かれるのは、より徒花度が高いからでしょう。あと、デザインの秀逸さも大きな魅力です。
シチズンの『X-8』や『コスモトロン』は比較的デザインが統一されていたのに対して、SEIKO製はトラッドなものから、『アドバン』『バナック』に通じるカットガラスやグラデーションダイヤルを駆使した奇抜な近未来(コズミック)デザインものまで百花繚乱の感があり、コレクションしていて飽きが来ません(後期にはシチズンも奇抜な文字盤を出してきますが)。
もちろん、時代が比較的近いうえにコレクターが少ないので、安くて良いものが手に入りやすいというのも大きなポイントですが…
【註1】電磁テンプ時計の精度
手持ちの物で計ってみたところ、時代が経っているせいか、かなりの物が日差30秒程度でした。
しかし、日差数秒の優秀機もいくつかありました。そのうち何本かは、たまに使用しています。
【註2】シチズンの電磁テンプ時計
シチズン最初の電磁テンプ時計『X-8』が登場したのが1966年。一方SEIKO最初の『エレクトロニック』が出たのは1968年。シチズンのサイトによれば、シチズンの電磁テンプ時計市場占有率は9割だったとか。
ちなみに正式名称は、SEIKOでは「電池式テンプ調速型」、シチズンでは「電子テンプ式」です。一般には「デンチ時計」「電子ウォッチ」と呼ばれることが多かったようですね。
【関連コレクション】
ELNIXの店頭ディスプレイ台 時計撮影の背景に使用しております |
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時計店用の技術解説書 ついにここまで手を出してしまいました |
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- 【参考文献】
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- 『国産腕時計B セイコー クロノス』
- 長尾善夫・著 トンボ出版 1997年
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- 『国産腕時計G シチズン 新本中三針』
- 森 年樹・著 トンボ出版 1998年
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- 『国産時計博物館』(ワールドムック27)
- 長谷川雅昭・監修 ワールドフォトプレス 1994年
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