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綾小路秀麿アイドルを語る − (大三元)こんばんわ、大三元ツモ夫です。今日は、最近ブームの「巨乳アイドル」について語っていただこうと思っていましたが、不幸にして(笑)先に『アイドル探偵団』でやられてしまったので、今日は、最近すっかりジャンルとして定着してしまった「ガールポップ」について語っていただこうと思います。(綾小路秀麿) 「『ガールポップ』なんて久宝留理子一代で終わると思っていたのにねえ」− (大三元)先生、そもそもガールポップって何なんですか?(綾小路) 「まあ、単純に言ってしまえば、女の子が歌う女の子向けの歌がガールポップだね。で、男の子向けに歌うとアイドル、と」−と言うことはつまり、アイドルとガールポップは表裏一体の関係にあるわけですね。 「そういうことだね。そもそもガールポップって、九十年代の頭にソニーレコードがアイドルを見切ったときに、それでも若い女の子の歌手は商品ラインナップに加えなくてはいけないわけで、そのために苦し紛れに作った言葉だよね。で、連動してソニーマガジンズから同名の雑誌も出してさ」 −最初は谷村有美とか永井真理子とかから始まりましたよねえ。 「そうだね。でも、谷村有美なんかはキャンパスのアイドルとか言われてたけど、男子大学生狙いが災いして、いまいちメジャーになり切れなかったよね」 −杉本彩とか「学園祭の女王」もいましたけど。 「あれは露骨にオトコ狙いだな。でも、瞬間芸で終わった(笑)。で、ガールポップは女子大生狙いでいったと」 −ガールポップの元祖と言えば、やはり松任谷由実になるんですか? 「そうだね。特に八七年暮れに出した『ダイヤモンドダストが消えぬまに』から彼女の大進撃が始まった。時代もちょうどバブルの絶頂期で、プチブル出身の彼女の描くゴージャスな世界観がハナコ世代に大受けしたわけだ」 −で、次が森高ですか? 「そう。森高ってアイドルだって思っている人は結構多いけどね、僕は一貫してあれはアイドルじゃない、フォーク歌手(笑)だって言ってきた」 −でも、あのミニスカ、バリバリにアイドルなんじゃないんですか? 「甘いね、キミ。カタチに惑わされちゃあいけないよ。そりゃあ確かにあの脚に惹かれて靡いたオトコも多かったけど、彼女の歌の本質は、やっぱり『女の子向け』なんだよ。『非実力派宣言』なんて、オトコに対するアンチテーゼそのものじゃないか」 −なるほど。で、その後ドリカム、ザード、大黒摩季、アムロなどを経て、宇多田ヒカル、鈴木あみに至ると。 「そういうことだね」 −ところで先生、どうして九十年代に入ってガールポップが商売として成り立つようになったんですか? 「それは、カラオケの普及と女子高生気質の変化が原因だろうね。カラオケというステージで等身大の自分を表現できる(と錯覚できる)曲が求められるようになり、それにはまったのがガールポップだったと」 −昔の女子大生には、車でデートする時にかけやすい曲っていう基準で、竹内まりやとか杏里とかが好まれていましたよねえ? 「今はグレイで十分なんじゃないの(笑)、オトコも聴くしさあ」 −この間、先生のレコード棚整理していたら、なんと「グロリアス」が出てきましたもんねえ。綾小路先生もかつてはグレイを聴いていた時期があったんですね。 「うるさいな。俺もすっかり忘れてたんだよ。で、カラオケの普及で、レコードは聴くだけでなく、パフォーマンスするものとなり、女も歌える女の歌が必要になった。で、ガールポップの出番となったと」 −でも、当初のガールポップ歌手って二十代前半のおねえさんだったんですけど、今や宇多田ヒカルや鈴木あみみたいに女子高生同世代まで下がりましたが、これは何故なんですか? 「ここ数年、歌詞が(私に言わせると)すごく幼稚になってきてるよね」 −どんな風にですか? 「まあ、よくいえば等身大の私って感じなんだろうけど、『つまらない日常にちょっぴり不満で将来も漠然と不安だけど、現実は脇に置いてポジティブシンキングで今日も元気に遊びたおそう、未来はきっと薔薇色だわ』っていうのが多すぎる。あと、感情をストレートに表現し過ぎるとか、ね」 −はあ… 「まあ、現実的にはそれが女子高生の共感を得てセールスに結びついているから、売手にとってはいいんだろうけど、佗びさびのもののあはれが失われていくのは残念だね」 −先生にとって理想の歌詞って、どういうんですか? 「恋心を胸に秘めてるんだけど、告白する勇気がなくって、ただ遠くからあなたを見つめています…、みたいなのが」 −超アナクロですね。 「ほっとけ」 −でまあ、ともかくその等身大の姿勢が女子高生にうけて、横並び大好き世代がこぞって買うのでメガヒットになっちゃったわけですね。 「そういうわけだ」 −で、こう考えると、松田聖子とか小泉今日子とかも、ある時点でアイドルからガールポップに転向したことになるわけですね。 「そういうことだ。残念ながら、今日の歌謡シーンでは、市場の決定権は女が握っている。男はゲームなんてやめて、もっとアイドルに生きなきゃいかんね」 −…、それは先生の全く現実を無視した暴論ということで、今日はここまでにしておきましょう。 Copyright (c)1999 AYANOKOHJI Hidemaro,DAISANGEN Tsumoo All Right Reserved 1999.4.19 Updated
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